メルコン（目黒光学）

メルコンは昭和30年9月にメルコンIが発売になった。
メーカーは目黒光学、発売元はひのまるやである。
レンズはニッコールが使用されており、ひのまるやではニッカも販売していたので
兄弟的扱い？の印象もあった（らしい）
メルコンIはかなり後発の製品なので、裏蓋開閉式、フィルム保持はトンネル式と
使いやすい製品になっている。
その２年後、メルコンIIが登場することになる。

参考文献：
カメラレビュー　クラシックカメラ専科 No.37　ライカブック’９６　朝日ソノラマ 発行
カメラレビュー　クラシックカメラ専科 No.45　世界のライカ型カメラ　朝日ソノラマ 発行

メルコンII型は「ニコンS2のそっくりさん」と良く言われる。
購入したのでさっそく比較してみる。
（注：S2を所有していないのでSPとの比較）

S形ニコンとの比較。
操作系はプレスの巻き上げレバーやカウンタはS2そっくりである。
それにしてはちょっと印象が違う？
なんでだろうとしみじみ眺めてみるとボディの形が違うのである。
ニコンのボディはオクタゴンスタイルなのだが、メルコンIIはどちらかというと
M型ライカなのでは？

ということでM形ライカとの比較。
ボディの幅は同じで丸いボディ側面はほんとうにソックリである。
ボディ幅を調べてみるとSPより4mmほど大きくて、Ｍ2とは同じであった。
ということは「Ｍ型のボディを参考にしてＳ２の操作系」にしたということ
だろうか？

メルコンIIを上部から見たところ。
操作系はＳ２と同じでボディサイズが多少大きいことからサッパリした
印象で操作性は良い。
確認していて気が付いたのだが、メルコンIIはこんなに近代的なカメラなのに
シャッター速度は1/500～ である。
そこは頑張れなかったのかなぁ（少し残念）
ファインダはブラウトフレームはあるがパララックス補正はない。
距離計の基線長はＳ２より長いので正確で使いやすい。
ところで、巻き上げレバー側の軍艦部に半円形の擦り跡があるのだが
クランクが接触する訳でもないのにどうやって付いたものだろうか？（謎）

擦り跡といえばこのボディの正面板にも半円形の擦った跡がある。
これはひょっとして・・・とエルマーを装着してみるとしっかりと擦る（笑）
マウント部と正面板が同じ高さだからなのだが、メーカーは製品化したときに
気が付かなかったのだろうか？
あれこれレンズを試してみると、なるほどニッコール系は問題なし。
それはむしろ「さすがはニコンの気配り」ということか？

裏蓋開閉式は目黒光学の製品の特徴である。
メルコンＩ型と同じ方式？かと思ったが、ＩＩ型の方がスッキリしている。
裏蓋開閉式といえばタナックもそうなのだが、あちらはロックが少し甘くて
「うっかり開いてしまう」ことがあるがメルコンＩＩ型はカッチリと閉まって
そのようなことは発生しない。

国産各社近代的カメラとの比較してみる。
後ろにあるタナックＳＤはよりＳ２にそっくりで、その後ろのレオタックスＧはＳＰそっくり。
さらに後ろのニッカＩＩＩＬはＭ型のボディに似せつつ個性タップリである。

Nikkor50F2　F=1:5,6

Nikkor50F2　絞り開放

Hexanon50F1.9　絞り開放

Fujinon50F2　絞り開放

ブログ掲載記事：

メルコンII　

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