モーゼルミリタリー

ハドソンのモーゼルミリタリーは、友人が置いていった・・（？）ものである。
高校生のときだったと記憶しているが、当時の私はそれほどモデルガンに
興味が無かった（むしろエアガンに興味があった）ので、そのまましまい込んで
しまい、完全に忘却のかなたであった。

その後、30年近くの年月が経過・・・（遠い目）

父の遺品整理（不用品廃棄？）をするために、屋根裏部屋の不用品整理を
していると、大量のゴミ？の下に埋没していたモーゼルミリタリーが発掘
された。

う〜ん、まだウチにあったのか・・・
調度、「日本軍の拳銃の研究」に使える！ということで、整備を行った。
（要するに壊れて不要になったから友人はくれた（当時の事情））
ネットの時代はありがたいことに、ハドソンのモーゼルミリタリーの構造を
説明してくれるHPがあるので、修理は無事完了。

整備を行ったうえで、ぴっかぴかになったハドソンのモーゼルミリタリー。
実は、当時のモデルガン規制は「銃口の黄色にしておく」だったので、
外装にかなり問題があった。
発掘時「これは処分しないとダメか？」とも思ったが、それも問題がありそう
なので、”金粉ショー”にすることにした。
タミヤの新しい塗料の金（なんと高価な1,400円！）は素晴らしい塗料で、
このような姿になった。
（注：なぜかタミヤの金は”ラッカー”で、プラには直接塗れないので注意！）
製造年度は'79年でしっかりとｓｍｇ規格なので、これならば問題なし。

上から見た姿。
いかにもメカ！という感じがカッコイイ。
こうしてみていると、拳銃というよりカービン銃？という風に感じるのは私だけか？

ところで、ここで笑ってしまう話がある。

発掘当時、動作しない、外観に問題がある・・・これは捨てないとダメか！（衝撃）と
思ったことがあった。
しかし、「日本軍の拳銃」の元になったものとして、モーゼルミリタリーは必要では
ないか？とも思った。
仕方が無いので、安いものを入手してきた。
それが、'80年製のハドソンのモーゼルミリタリーなのである。
（注：画像はなんとなく銀っぽくなっていますが、実物は金色です）

ところがなんと！　きちんと動作しないのである。
とりあえず、組み間違えしているのは直したので基本的な動作はするのだが、
ボルトを引いてもハンマーは戻ってしまう、安全装置はかからない・・・

仕方が無いので、メカを確認する。

安全装置を掛けたところ。
なぜか？シアーとハンマーに隙間があるのが判るだろうか？
そう、ハンマーのロックがかかる部分が不足しており、同時にシアーも
なぜか寸詰まりになっている。
また、画像では見えないがハンマーの安全装置のピンが当る部分が
角が落ちて丸くなって凹んでいる。

正常に動作する'79年製のもの。
ハンマーとシアーの違いに注意！

上が'79年製
下が'80年製
こんなにボルトが引き出せるのは良く考えるとおかしい。

きちんと動作する'79年製はこういう風になる。

仕方が無いので修理する。

注：モデルガンは強いバネを使用しており、パーツも金属製（もろい部品もある）で
　　なので、工作は大変危険である。
　　このHPで公開する内容は「あくまで参考」であり、実践はお勧めしない・・どころか
　　お止めになること！をお勧めする。
　　ここを参照して行ったことに対して、筆者は一切の責任を負わない！

ハンマーのシアーにかかる部分が不足しているので、そこに真鍮のピンを
打ち込む。
そのためにハンマーを外すのだが、モーゼルミリタリーはこの部分を強力な
バネで押しており、不用意に外すと元に戻せないどころか怪我をするのは
確実である。
結論としては「モーゼルミリタリーの機械ユニットは分解してはいけない」
のである。

一応、こんな感じになった。
ハンマーの位置はそれなりに正常な位置にかかるようになったが、
動作させてみると、ボルトがやはり後退しすぎること、安全装置のピンが
ハンマーにめり込んでいる（画像参照）ので、不用意にロックが外れて
「これが実物だったら危険だ」とビクっとする。

結局、修理はここまで。
まあ、きちんと動作する'79年製があるからいいか。
結果的に、モーゼルミリタリーの構造を勉強することも出来た。

ハドソンの製品は、南部１４年式でもそうなのだが、「どうも出来不出来の差がある
ものに当ってしまう」ことが多いような気がする。
まあ、古い製品なので、おおらかな気持ちせ接するべきなのだろう。

しつこいようだが、モデルガンの分解・整備は私はお勧めしない。
大変危険である。
銃刀法などの規制もあり、材質などの制約もあり、しかも古いものは
破損している危険もあるので、知識がない人は分解してはいけない。
（いや、知識があるなら余計か？）

このHPの内容は、あくまで「機械の構造の参考」として欲しい。
読んだ結果は「自己責任」であることを理解出来ない人は、趣味を嗜む
資格が無いことを自覚すること！

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