ＲＥＧＵＬＡ ＲＥＦＬＥＸ　２０００ＣＴＬ

ＲＥＧＵＬＡというカメラは、ドイツのキング社の製品である。
この会社は、元はキング氏が時計メーカーとして創設した会社で、娘婿の
バーゼル氏が中心となってカメラメーカーに転身したそうである。
中級機が多く、レンジファインダー機をときどきクラカメとして見かける。

ところで、このＲＥＦＬＥＸ ２０００ＣＴＬは、シャッター速度は1/2000とハイスペック、
レンズ交換可能な高級機である。
私は実物を見たことはないが、超レアアイテムとしてＦマウント機があるらしい。

参考文献：クラシックカメラ専科　モダンクラシック ドイツ編　朝日ソノラマ発行

ななめ上方向から見た姿。
堂々とした風格のあるデザインである。
この姿を見ていると、フォクトレンダーのウルトラマチックを思い出すのだが
ひょっとするとデザイナーが同じなのであろうか？

後姿。
巻き上げレバーの形や配置もウルトラマチックそっくりである。
それにしても、シャッター速度がハイスペックな割には、分割巻き上げが出来ない。
超高級機のコンタレックスに至るまで、ヨーロッパの一眼レフでは、分割巻き上げが
出来るものを見たことがない。
これはなにかポリシーがあるのだろうか？

ファインダー像。
正直言って、あまり見やすいとは言えないし、きれいとも言えない。
面白いのは、中央部のマイクロプリズム（画像では判りにくいが）以外は
素通しなのである。
これもコンタレックス、フォクトレンダーなどと共通している。
ヨーロッパ人好みなのか？

露出計を内蔵しており、マウント横にあるレバーを押して計測する。

裏蓋を開けてみると、適度に合理化されつつ、高級感のある作りが
感じられる。
シャッターは横幕走行式である。

マウントはＭ４２である。
もちろん、クイックリターンミラーである。

ミラーボックス内の複雑な機構部分。
ミラーを持ち上げるレバー部が、Ｍ４２のピンを押す金具を押し上げて
レンズ側のピンを押す。

このカメラ、実は驚くべきスペックなのである。
最高速度が1/2000？
いや、それだけならば、ライカフレックスシリーズもあるし、ローライ3003もある。
シャッターダイヤルを見ると判るのだが、なんと！シンクロが1/125なのである。
ということは、横走りシャッター幕で、基本シャッター幕速度が1/125なのだ。

それがなぜ驚きなのか？

上：Nikon F2　下：Minolta X-1　いずれもシンクロは1/90

F2もX-1も横走りシャッター幕方式であるが、シンクロというか、基本シャッター
速度は1/90である（そういえば、ライカフレックスシリーズも）
それで十分なような気もするのに、なんと！この2000CTLは1/125なのだ。

意外なハイスペックのこのカメラ、どのくらいの数作られたのだろうか？
マイナーで終わってしまったのが、ちょっと惜しい気がするカメラである。

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